ROKU KYOTO宿泊レビュー|鷹峯(たかがみね)の森で過ごす、静寂と非日常のひととき

特別な日を、特別な場所で。 そう思ったとき、迷わず選んだのが「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」でした。 京都・鷹峯(たかがみね)の森に、ひっそりと佇むホテルです。 2025年の冬、夫の誕生日に近い週末、1泊2日で訪れました。 雪が降るとは、思ってもいませんでした。 おかげで、忘れられない時間になりました。 今回は、ヒルトンアメックスプレミアムカードの無料宿泊特典を使った滞在の様子を、詳しくレポートします。 こんな方に、特におすすめの記事です。 結婚記念日や誕生日など、特別な日に泊まるホテルを探している方 都会の喧騒から離れて、静かな時間を過ごしたい方 温泉やスパ、ホテルステイそのものを「目的」にした旅をしたい方 目次 ROKU KYOTOとはどんなホテルか 予約のコツ:ツイン部屋は半年前予約がおすすめ アクセス:京都駅からバスで、少し歩く チェックイン〜お部屋 温泉プールは事前予約必須 夕食:松峰邸で味わう、古民家の趣と京の味 朝食:和定食+ビュッフェで大満足 雪の日のROKU KYOTO:忘れられない思い出 総評:こんな人にROKU KYOTOはおすすめ まとめ ROKU KYOTOとはどんなホテルか ROKU KYOTOは、京都市北区・鷹峯(たかがみね)エリアにあるヒルトン系列のラグジュアリーホテル(LXR Hotels & Resorts)。 鷹峯(たかがみね)は、かつて本阿弥光悦が芸術村を築いたとされる、自然豊かで静かな土地。市街地の喧騒から少し離れているからこそ、森に包まれたような特別な滞在が叶います。 江戸時代初期、本阿弥光悦が芸術家や職人たちを集めて理想のコミュニティを築いた場所でもあり、日本のルネサンスとも呼べる文化が花開いた地でもあります。 館内には、インフィニティ温泉プール、スパ、ジム、レストラン、バーなどが充実。客室棟と施設棟を、ゆるやかに回遊できる造りも特徴のひとつです。 宿泊料金は時期やプランにより変動。一般的なハイクラスホテルの価格帯です。予約は、ヒルトン公式サイトのほか、楽天トラベルやBooking.comからも可能。 🔗 ROKU KYOTOを予約する 楽天トラベルで空室を見る(リンク準備中) Booking.comで空室を見る(リンク準備中) 予約のコツ:ツイン部屋は半年前予約がおすすめ 今回の宿泊では、ヒルトンアメックスプレミアムカードの「ウィークエンド無料宿泊特典」を利用しました。1年間使い続けると、系列ホテルに金・土・日の1泊無料特典がもらえるカードです(年会費は別途)。 ここで一つ、大事な注意点があります。 ROKU KYOTOはツインルームの部屋数が少ないため、希望の日程をツインルームで確保したいなら、半年前から動き出すのがおすすめ。 わたしも、半年前から予約しました。 予約は、ヒルトンのウェブサイトからではなく、専用の電話窓口へ。特典の利用方法や部屋タイプの相談も、オペレーターが対応してくれます。 ヒルトンアメックスプレミアムカードについては、別記事で詳しくまとめています。気になる方は、こちらもどうぞ。 🔗 ヒルトンアメックスプレミアムカード活用ガイドはこちら(内部リンク準備中) アクセス:京都駅からバスで、少し歩く ROKU KYOTOへは、京都駅からバスで向かいました。 バス停からは、少し歩きます。 訪れたのは冬。ひんやりした空気の中を歩くのは、ちょうどいい運動になりました。むしろ心地いい、散歩です。 「アクセスが不便」と感じる人もいるかもしれません。 でも、それだけ市街地の喧騒から離れているということ。 この不便さこそ、ROKU KYOTOの魅力の一部なのかもしれません。 チェックイン〜お部屋 訪れたのは土曜日。 ロビーは、多くの宿泊者でにぎわっていました。 空いている席に案内され、温かいお茶をいただきながら、しばらく過ごします。それだけで、もう心がほどけていくような時間でした。 ...

June 14, 2026 · irofull

ヒルトンアメックスプレミアム、年会費66,000円を毎年更新し続ける理由

年会費66,000円のクレジットカードを持っている。 毎年、更新のタイミングになると少し迷う。66,000円は決して安くない。他のカードに乗り換えようかと調べたこともある。それでも結局、更新する。 なぜそうなるのか、自分なりに整理してみた。 このカードで実際に使っている特典 主な特典を公式情報をもとに整理しておく。 ① ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータス(入会で自動付与) 通常は年間15回の滞在または25泊が必要なゴールドステータスが、カードに入会するだけで得られる。朝食無料・客室アップグレード・アーリーチェックイン・レイトチェックアウトなどの特典が使える。 ② ウィークエンド無料宿泊(カード利用+継続で最大2泊) カードを継続利用するだけで1泊分の無料宿泊券がもらえる。さらに年間300万円以上の利用でもう1泊追加される。ROKU KYOTOやコンラッドなど上位ホテルにも使える。 ③ ダイヤモンドステータス(年間200万円以上の利用で獲得) 通常は年間25滞在または50泊が必要なダイヤモンドステータスが、年間200万円の決済だけで達成年の翌年末まで得られる。エグゼクティブラウンジ・スイートルームへのアップグレード対象などさらに上質な体験ができる。 ④ ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン(HPCJ)年会費初年度無料 国内と韓国の対象ホテルで宿泊25%割引・レストラン最大20%割引などが受けられる特典プログラム。初年度は年会費が無料。 自分がメインで使っているのは①と②だ。 ③のダイヤモンドは年200万円という壁があるので今のところは狙っていないが、いつかは試してみたいと思っている。 ④は、最初は使っていたが、主要地域はヒルトンホテルに一通り行ったので、リピートしたいと思うところが国内では今のところ見つかっていないので、現在は使っていない。 無料宿泊特典を使うと、数字はこうなる 今回の特典でウォルドーフ・アストリア大阪に泊まった。去年はROKU KYOTOに泊まった。 ROKU KYOTOは、日本らしい離れのような雰囲気のホテルだった。大阪の都会的な高層ホテルとは対照的で、静かで落ち着いた時間が流れていた。どちらもヒルトン系列だが、まったく異なる体験ができる。それもこのカードの面白いところだと思う。 定価で泊まれば、どちらも休日は1泊10万円以上する。2年分を並べるとこうなる。 2025年 ROKU KYOTO 定価:10万円以上 2026年 ウォルドーフ・アストリア大阪 定価:10万円以上 2年分の合計 特典価値:20万円以上 年会費合計:132,000円 差額:約7万円以上のプラス 2年で見ると、回収できているのがよりはっきりわかる。 実際の宿泊レポは別記事にまとめている。リンクは後日追加予定。 予約のコツ この特典を利用する際は、ヒルトンリザベーションデスクへの電話が必要。 2人で利用する場合、ツインの空きが少ないので、無料宿泊の権利が発生したら、すぐに電話をかけて予約しておくことをおすすめしたい。 私の場合、7月に年会費が引き落としになる。8月ごろ権利が発生するのだが、すぐ電話してもツインが空いていないので、2月に宿泊予約するのが2年続いている。権利が発生したらすぐに動くのが正解だと実感している。 それでも毎年迷う理由 数字だけ見れば更新一択だ。それでも今年も迷っている。なぜそうなるのか。 一つは、使わなかった年のことを考えるから。もし旅行に行けなかった年があったとしたら、特典を使えないまま66,000円を払ったことになる。そのリスクが頭をよぎる。 もう一つは、年会費という出費が目に見えやすいからだと思う。ホテルで10万円分の体験をしていても、それは「使った実感」として残りにくい。でも66,000円の引き落としは通帳にはっきり残る。人間はそういうふうにできているらしい。 他のカードと比べたこともある。年会費が安くて旅行系の特典があるカードはいくつかある。ただ、年会費を払っていれば無料宿泊が1泊、しかも週末についているのは、ありがたいカードだ。毎年ステキなホテルが建設されているので、そこへ行ってみたいから継続しているんだと思う。 ちなみに今年はコンラッド名古屋がオープンする予定。行ってみたい。 こんな人には向く、こんな人には向かない 正直に。 向いている人: 年1回以上ヒルトン系に泊まる 無料宿泊特典を必ず使い切れる ラグジュアリーホテルを体験したい ゴールド特典(朝食無料など)を活かせる 向いていない人: ホテルにほとんど泊まらない 年会費の出費が精神的に重い カード管理が面倒な人 高級ホテルに興味がない 今年も更新するか たぶん、する。 無料宿泊特典を使える体験が、また1回できるなら。それだけの理由で十分だと思っている。 66,000円は高い。でも「10万円以上のホテルに泊まれる権利」を毎年買っていると考えると、自分にとっては納得できる買い物だ。 迷いながらも更新し続けているのは、結局このカードが自分のライフスタイルに合っているからだと思う。

May 8, 2026 · irofull

ウォルドーフ・アストリア大阪宿泊レビュー|大阪の空の上で過ごす、特別な1泊

特別な体験を、大阪の空の上で。 そう思ったとき、選んだのが「ウォルドーフ・アストリア大阪」でした。 ヒルトンアメックスプレミアムカードの無料宿泊特典を使って、夫と1泊2日で訪れました。 年会費66,000円を毎年更新し続けているのも、こういう滞在ができるからだと、改めて実感した旅でした。 こんな方に、特におすすめの記事です。 大阪でラグジュアリーなホテルステイを探している方 ヒルトンアメックスプレミアムの無料宿泊特典を活用したい方 都会の景色を眺めながら、非日常の時間を過ごしたい方 目次 アクセス:入口は少し迷う チェックイン〜プールへ 夕食:阪急百貨店のイタリアンへ 朝食:2つの会場から選べる 翌朝のプール:貸切のような静けさ 夫が気づいたこと レイトチェックアウトで最後まで 総評:こんな人にウォルドーフ・アストリア大阪はおすすめ まとめ アクセス:入口は少し迷う 正直に書いておくと、最初、入口がわかりませんでした。 グランフロント大阪のすぐそば。 駅からは近いはずなのに、どこから入ればいいのか、しばらくわからなくて。 案内表示を探しながらうろうろして、2階通路からエレベーターを乗り継いで、ようやくたどり着きました。 初めて訪れる方は、事前にアクセスを調べておくことをおすすめします。 知っていれば、迷わずに済むはずです。 チェックイン〜プールへ 部屋に荷物を置いて、まずプールへ向かいました。 高層階にある屋内プール。 大都市の真ん中に、こんな空間があるのかと、初めて見たときは驚きました。 ただ、午後の早い時間はかなり混んでいました。 チェアはほぼ埋まっていて、空きが1つあるかどうか、という状況で。 せっかくゆったりしたかったのに、落ち着ける雰囲気ではなくて。 思い切って、スタッフの方に聞いてみました。 「空いている時間帯はいつですか?」 「17時頃と、朝食の時間帯は比較的空いています。夕食の時間に皆さんレストランへ行かれるので、その頃がねらい目です」 なるほど、と思いました。 ホテルはちゃんと聞けば、うまく使いこなせる。 そのことを教えてもらった気がしました。 夕食:阪急百貨店のイタリアンへ この日の夕食は、ホテルのレストランではなく、少し歩いて阪急百貨店のイタリアンへ。 正直、あまり期待していませんでした。 百貨店のレストランだから、可もなく不可もなくかな、と思っていたのです。 でも、これが意外と美味しかったんです。 ピザと生ハムが特によくて、ついつい食べすぎてしまいました。 翌朝の胃が少し重かったくらい。 食べながら、ふと隣のテーブルが目に入りました。 シニアのマダムが、1人で静かに食事をされていて。 ワインを傾けながら、本を読みながら。堂々として、とても素敵でした。 わたしの母は、1人では外食をしません。 誰かと一緒でないと食べに行けない、という人なので。 あのマダムのような歳の重ね方を、わたしもしたいな、と少し思いました。 朝食:2つの会場から選べる 翌朝の朝食は、2つの会場から選べました。 1つは眺めのいいレストラン。 窓の外に大阪の街が広がっていて、景色は抜群でした。 料理の種類は少なめでしたが、その分落ち着いた雰囲気で。 もう1つは、大きなメイン会場。 こちらはビュッフェが充実していて、種類もたっぷりありました。 わたしは和食をオーダーしました。 ご飯、焼き魚、味噌汁、小鉢。 シンプルなのに、丁寧に作られている感じがして、満足感がありました。 「ほうじ茶をいただけますか」とお願いしたところ、スタッフの方が別のレストランからわざわざ持ってきてくれました。 そういう小さな対応に、ラグジュアリーホテルらしさを感じました。 翌朝のプール:貸切のような静けさ 前日に教えていただいたことを生かして、翌朝イチでプールへ向かいました。 空いていました。 ほぼ貸切のような状態で、ゆっくりと泳ぐことができました。 ...

April 21, 2026 · irofull

編み物を始めたら、心が整った話。祖母から受け継いだ、同じことの繰り返しの豊かさ

編み物をするようになって、何年か経つ。 始める前は、こんなに長く続くとは思っていなかった。 編み物を始めたきっかけ 祖母が、編み物をする人だった。 子どもの頃、ベストを編んでもらった記憶がある。布団カバーも、祖母の手作りだった。 当時はそれが特別なことだとは思っていなかった。 でも今になって気づく。あれは、とても手のかかるものだったのだと。 一目一目に、時間と愛情が込められていた。 母も昔は編んでいた。若い頃の写真に、手編みのセーターを着た姿が残っている。 でも今はもうやめてしまって、棒針もかぎ針も、どこかにしまわれたままだ。 わたしが編み物を始めたのは、以前住んでいた街がきっかけだった。 最寄り駅の近くに、小さな毛糸屋さんがあった。 ショーウィンドウに飾られた色とりどりの毛糸と、丁寧に編まれたサンプル。 ある日ふらりと入った。それが始まりだった。 その後、教室に通い始め、引っ越してしまった今も、時折足を運んでいる。 やってみて気づいたこと 編み物は、繰り返しだ。 編み始めと編み終わりに少し集中が必要なだけで、あとはひたすら同じことの繰り返し。 棒針なら表目と裏目、かぎ針なら細編みや長編み。 最初は単調に感じるかもしれない、と思っていた。 でも実際にやってみると、まったく逆だった。 その繰り返しが、心を整えてくれる。 ざわざわしているとき、頭の中がうるさいとき。 手を動かしていると、少しずつ落ち着いていく。 考えすぎていたことが、ほどけていく。 祖母が毎日のように針を動かしていたのは、きっとそういうことだったんですよね。 できあがったときの喜びも、格別だ。 世界にひとつだけの、自分だけのもの。 市販のものではなく、自分の手でつくったものを身につける感覚。 うまく言葉にできないけれど、静かな満足感がある。 それから、色との出会いもある。 毛糸屋さんに並ぶ糸は、日常ではなかなか手に取らないような色ばかりで。 くすんだテラコッタ、深い森の緑、少し紫がかったグレー。 編み物を始めてから、自分が選ぶ色の幅が広がった気がする。 もうひとつ、完全に個人的な感想なのだけれど。 編み物をしている人には、いい人が多い。 教室で出会う人も、糸を選んでいる隣のお客さんも、どこかおだやかで、人の話をちゃんと聞いてくれる。 手を動かすことで、何かが育まれるのかもしれない。 そして、手編みのものを身につけていると、たまに気づいてくれる人がいる。 「それ、手編みですか?」と声をかけてくれる人。 そういう人は、決まってとてもいい人だ。 これも個人的な法則だけれど、今のところ例外がない。 実は経済的でもある 編み物には、もうひとつ知られていない魅力がある。 経済的なのだ。 毛糸はほどくことができる。編み直せる。 着なくなったセーターも、毛糸に戻して別のものに生まれ変わらせることができる。 教えてくれているマダム先生は、実際にそれを実践している。 長袖のセーターを、季節が変わったら半袖に。さらに暑くなったらノースリーブに。 同じ糸が、形を変えながら長く使われる。 初めて聞いたとき、目から鱗だった。 ただ、そのためには先行投資の考え方が大事だ、とも教わった。 安い糸は、何度もほどいたり編んだりしているうちに傷んでしまう。 最初からトラディショナルで良質の糸を選ぶこと。 それがマダム先生の変わらない教えだ。 確かに、良い糸は高い。 でも長く使えて、ほどいて編み直せるなら、結果的には安上がりになる。 そう考えると、納得がいく。 編み物が、わたしに教えてくれたこと わたしにとって編み物は、心を整える時間だ。 同じことの繰り返しの中に、静けさがある。 できあがったものの中に、時間が積み重なっている。 祖母が編んでくれたベストのことを、わたしは今でも覚えている。 形はなくなっても、あの温かさは残っている。 わたしが今編んでいるものも、誰かの記憶の中に残るといい。 そんなことを思いながら、今日も針を動かしている。 詳しい編み方や道具については、あみフル(近日公開予定)で書いていきます。乞うご期待!

April 21, 2026 · irofull

酒場と編み場。なぜか同じ話ができる、不思議な共通点

お酒の席でなぜか本音が出た、何でも話せてしまった——そんな経験、ありませんか。 実は編み物をしながら話すとき、不思議と同じことが起きるんです。 酒場と編み場、まったく違う場所なのに、なぜだろう。 飲みながらだと、重い話も軽い話も同じ温度で話せる 飲みながらだと、重い話も軽い話も同じ温度で話せる。 しょーもないことを真剣に語ったり、逆に「それ、私のツボ!」みたいな本質をぽろっと言う人がいたり。 20代後半、ショットバーでバイトしていた私は、カウンター越しにそういう瞬間をたくさん見てきた。 お酒の場って、フィルターが外れる場所なんだと思う。 編み場でも同じことが起きる 祖母はいつも忙しそうだった。 でも編み物をしているときだけは、そこを動かない。 子どもの私は、それを知っていた。祖母の隣に行きさえすれば、独占できる。何でも話せる。 編み棒を動かしながら、祖母はいろんな話をしてくれた。 本の話、昔の話。大正生まれの祖母は養女に出され、行った先の父が軍服を縫う人だったから、みんなが着物を着ていた時代に洋服を着せられていたこと。それが恥ずかしかったと、笑いながら話してくれた。 あの話を、祖母は編み物をしながら話してくれた——と思う。 正確には覚えていないけれど、きっとそうだったはずだ。 編み棒が動いていたから、出てきた話だった気がする。 なぜそうなるのか なぜそうなるのか、学術的なことはよくわからない。 でも私なりに思うのは、脳が編み物に夢中になっているから、重い話か軽い話か、判断する余裕がなくなるんじゃないかということ。 ガードが緩む、というか、ガードを張る隙がない。 これ、心理学では「side-by-side communication」と呼ばれているらしい。 正面から向き合うのではなく、同じ方向を向きながら話す状態のこと。 酒場のカウンターも、編み場の隣も、構造としては同じなんだそうだ。 お酒はもっと直接的で、酔って脳のブレーキが緩んだ状態。 編み物は、シラフのまま、自然にそうなってしまう。 体も勝手に落ち着いてる そしてもうひとつ、編み物をしていると、体の方も勝手に落ち着いてくる。 棒針を動かす、同じ動きを繰り返す。ただそれだけのことなのに、気づくと呼吸が深くなって、肩の力が抜けている。 あの「ふーってなる」感覚、実は体がちゃんと反応している。 繰り返しのリズムが副交感神経を刺激して、セロトニンが分泌される——らしい。 難しい話は置いておいて、要するに、編んでいると体が勝手にリラックスモードに入るということだ。 脳はガードを張る隙がなくて、体はリラックスしている。 そりゃ、本音も出るよなあ、と思う。 お酒がなくても、カウンターがなくても。 毛糸と棒針一本あれば、あの酒場の感覚が作れる。 しかもシラフで、翌日に残らない。 編み場って、実はかなりすごい場所なんじゃないかと、最近思っている。

April 21, 2026 · irofull